洋食の歴史:開国から昭和まで、日本の食卓が育てた西洋料理

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洋食は、広い意味では西洋料理全般を指しますが、ふつうは「日本で独自に発展した西洋料理」を指して使われます。ご飯に合う味つけ、箸で食べやすい形、ソースやケチャップの使い方。そこには、日本人が西洋の料理を自分たちの食卓に合わせて育ててきた歴史があります。

洋食のはじまり

幕末から明治:西洋料理が入ってくる

開港地の長崎や横浜には外国人向けの西洋料理店ができました。たとえば1863年に長崎で開業した「良林亭」は、日本初の西洋料理店とされています(資料による)。明治に入ると、1872年に『西洋料理指南』と『西洋料理通』という料理書が相次いで出版されました。前者にはカレーやコロッケの作り方も載っています。

同じ1872年には、明治天皇が牛肉を召し上がったとされ、肉食を広める象徴的な出来事として語られます。もっとも、日付には旧暦と新暦の差があるなど、資料によって書き方が違います。

懐かしのナポリタン

明治の終わりから大正:洋食屋が街に広がる

東京・銀座の煉瓦亭は1895年の創業です。1899年にはポークカツレツをメニューに載せたとされ、のちのとんかつにつながる料理として知られます。1917年(大正6年)には「コロッケの唄」が流行し、コロッケが庶民の味として広く知られるようになりました。

  • 1872年:『西洋料理指南』『西洋料理通』が出版される
  • 1895年:銀座に煉瓦亭が創業する
  • 1899年:煉瓦亭がポークカツレツをメニューに載せたとされる
  • 1917年:「コロッケの唄」が流行する
さくさくコロッケ

昭和:ホテルの料理が街の味に

1927年に横浜のホテルニューグランドが開業しました。ドリアは、このホテルの初代総料理長サリー・ワイルが考案したとされ、ナポリタンも同ホテルの入江茂忠が戦後に考案したという説が有力です。1930年には、日本橋三越の食堂でお子様向けの洋食が出されたとされ、のちの「お子様ランチ」につながっていきます。

洋食は、ホテルの高級料理から、百貨店の食堂、街の洋食屋、家庭の食卓へと広がりました。今、私たちが「いつもの味」と感じる一皿の多くは、こうして生まれたものです。

この記事のこと

起源には諸説あるものが多く、ここでは「〜とされる」と書いています。みなさんのまちの洋食屋さんに伝わる話があれば、ぜひ投稿で教えてください。

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