銀座の煉瓦亭を読み解く:キャベツ、ウスターソース、オムライスの伝え話

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東京・銀座の煉瓦亭は、日本の洋食の歴史を語るときによく名前が挙がるお店です。創業は1895年(明治28年)、場所は銀座3丁目とされています。ただし、お店の公式サイトの歴史は今回確認できていないため、ここでは資料に書かれている範囲でご紹介します。創業者の名前も資料によって食い違うので、ここでは触れません。

ふわとろオムライス

観光協会のマップが伝える煉瓦亭

中央区観光協会のマップでは、日本人の口に合うよう植物油を使った調理方法を考えたことが紹介されています。さらに、キャベツをカツに添える盛り付けや、皿にご飯をのせる形もこの店が発祥とされ、エビフライやオムライスもここから生まれた、という書き方です。あくまで観光協会の紹介文であり、その通りだと決まったわけではありません。

とんかつ

Wikipediaに書かれた工夫の数々

Wikipediaには、さらに細かい話が載っています。ただし二次資料なので、すべて「とされる」と受け止めてください。

  • 付け合わせは温野菜だったが、千切りキャベツに変わった。日露戦争でコックが徴兵され手間を省く必要があったため、あるいは「キャベツの一夜漬け」から着想したため、とされる
  • カツレツにドミグラスソースをかけると日本人には重く、ウスターソースにしたところ好評だった、とされる
  • オムライスはもともと従業員のまかないで、お客さんの要望でメニューに入った、とされる

千切りキャベツの理由には二つの説が並んでおり、どちらかを史実と言い切ることはできません。

街の洋食屋さん

「発明した」とは言い切れない

煉瓦亭が発明したという説には異論もあり、2017年以降には否定する論考も発表されている、とWikipediaは記しています。洋食の料理は、いくつもの店や料理人が試行錯誤するなかで形になっていくことが多く、一軒だけの功績と決めるのは難しいのかもしれません。むしろ、早くから洋食を出していた店として、多くの料理の歴史に名前が出てくる、と考えるほうが穏当です。

もっと詳しく知りたい方には、近代食文化研究会『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』(2022)、岡田哲『とんかつの誕生』(2000)、小菅桂子『にっぽん洋食物語』(1983)といった本が参考文献として挙げられています。

お出かけ前には、お店の公式な案内で営業日や時間を確認してください。煉瓦亭にまつわる思い出や、銀座で食べた洋食の話があれば、投稿で聞かせてください。

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